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映画制作、WEB制作、ソフトウエア制作。私の職業って・・・思いながら綴って行きます

2010/8/14 - このブログは引越しました。

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世界に売れる日本映画は作れるのか?(その1)

さて、昨日はアメリカにおける黒人が主役の映画事情を話しましたが、今日は、身近な私たち日本の映画がハリウッドで成功する確率を書いてみましょう。私の実体験も含めて・・・。

<関連記事>
○黒人映画はアメリカでも売れない?アメリカにもまだある人種の壁
http://ja.katzueno.com/2008/11/886/

さて、私は3年前に、アジア系アメリカ人が主人公のコメディー映画の制作に参加しました。最初は撮影のときにただのクルーだったのが、監督やプロデューサーが、私が編集も、MA(音の編集)も、マーケティングもできるし、いろいろ映画スタジオとのコネクションがあったのでアソシエイトプロデューサーになってしまった作品です。

○Asian Stories
http://www.asianstoriesmovie.com/

Asian Stories予告編


ちなみに私は、ホームページ、MySpace、Facebookの公式プロフィールの管理も、今でも私が行っています・・・。

これ、すべて英語で作っているんですが、ストーリーを簡単に言うと、主役の中国系アメリカ人のジムが、2月14日のバレンタインデーに婚約者と結婚する予定でしたが、2週間前に逃げられてしまい、自暴自棄になって、親友でで殺し屋の日系アメリカ人アレックスに「自分を殺してくれ〜」と頼みます。しかしアレックスは「ロスでは足が残るから山奥へ行こう」とキャンプに出かけるという、ハチャメチャなロードトリップ・コメディーです。

この映画の売りは、アメリカのほとんどの人種を笑い者にしている事・・・。アジア系、ラテン系、白人、カットされたんですが黒人と、平等にブラックジョークで笑い者にしている事でした・・・なので、絶対に日本で売れないと思います・・・。

主役は、今やスーパードラマTVや日テレの深夜でも放送された「ヒーローズ」に安藤役としてでているJames Kyson Lee。他にも、今ではNBCの「サタデーナイトライブ」に出演しているコメディアンや、メジャーな映画にちょい役で出始めたベトナム人の女優さんなど、この映画を撮影した後にみんな出世して行ったという作品です。

というか、私がAsian Storiesの編集をしているときに、主演のジェームズから電話がかかって来て、「Katz、いまから日本人役のテレビドラマのオーディションに出るんだけれど、脚本を日本語訳してくれない?」と電話があり、2ページぐらいの脚本を「いややわ〜日本の事を分かってない脚本家が書く脚本は翻訳しにくい〜」と文句言いながら翻訳してあげて渡してあげたら・・・。

あれま。「ヒーローズ」のオーディションだったのね。

ジェームズは韓国系アメリカ人なので、韓国語と英語しかしゃべれません。なので、字幕スーパー版をご覧になっている方はお気づきでしょうが、ジェームズの英語は最悪です。

でも、アメリカ人のほとんどは、韓国なまりの日本語なんて関係ありません。

こぼれ話ですが、字幕スーパーや吹き替え版を見ている私たちって、実は俳優の演技がちょっとヘタでも、吹き替えで声がすり替えられたり字幕を読むのに気を取られているので、俳優事態の演技の下手さに気がつかない事が多いのです。なので、今、ハリウッドでスーパースターだと言われている○○さんや、○○さんは、演技がチョーヘタクソなので、アメリカ人には評判が悪い俳優さん等もいらっしゃいます。


話を戻しますが・・・ほとんど無名だったジェームズが、この「ヒーローズ」に出演してくれた御陰で、私たちの映画も、ちょっとだけ有名になり、ロサンゼルスのアジア映画祭で観客賞を穫った事も重なって、無事、映画を配給会社に売る事が出来ました。

ちなみに、暇があったら、「ヒーローズ」の第一話をレンタル等でもして下さい。36分ぐらいに、ヒロとアンドーが、地下鉄に乗ってカラオケに行くシーンがあります。



○HEROES / ヒーローズ Vol.1
c0150860_0461176.jpg
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000X8ERTO?ie=UTF8&tag=katz515-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B000X8ERTO


「Asian Stories」の監督と一緒にテレビの放送を見ていて驚きました。

「俺が翻訳したまんまやん〜」

実はそこの部分、スタートレックをオマージュした冗談とかを取り入れていたのですが、スタートレックファンではない私は適当に訳したんです。「ま、本番ではこんな日本語つかわんだろう〜」

日本のスタートレックファンのみなさん、「ヒーローズ」の第1話を見ても起こらないで下さい〜。

ちなみに、カラオケのシーンで使われたのはコリアタウンにあるナイトクラブなんですが、私たちも「Asian Stories」で撮影に使わせてもらったところだったんです。監督と二人で「あ、あそこやーん」と笑っておりました。

とにかく、第1シリーズ。ジェームズのつたない日本語を聞きながらあまりヒロのシーンには勘定出来ませんでしたが、そんなの関係ないアメリカ人は、どんどんヒロ&安藤コンビに人気があがり、ジャームズは当初は第1シーズンのみの契約でしたが、無事、第2、第3シーズンとキャストされ続けています。

ある日、彼と一緒にコリアタウンのBBQに食いに行ったんですが、韓国系アメリカ人であるジェームズの本拠地とも言えるコリアタウンで飯を食っていると、「『ヒーローズ』見てます」って声をかけて来たり・・・。

「有名人になるというのはこういうことなんだ〜」

と実感しました。




○アジア映画=アートフィルムというしがらみ

さて、話を「Asian Stories」に戻します。

これは、昨日ちょっとお話しした、私の「ホームレスプロデューサー」時代の話です。

映画祭で観客賞も取り、映画祭では売り切れ続出で、チケットを買えなかった観客が他に同時上映されていた映画にもあふれて、他の映画も売り切れさせたこともありました。

ジェームズも「ヒーローズ」にテレビ出演が決まり、「売れる」要素がでてきました。

いろんなスタジオからも「映画見せて」とお声がかかりました。

「これはもしかして・・・」

と思っていた時です。とあるスタジオからの返答がありました。

「アジア人によるコメディーは売れないよ〜」

がーーん。

スタジオの関係者の中には、「アートフィルムだと思った」という回答も・・・。

つまり、今でもアメリカでは一般的に、アジア人が出演している映画=侍、カンフー、ホラーです。

それと、私も認めなくては行けないところですが、ストーリーの中には、ロサンゼルスに住んでいる人でしか分からないようなジョークも入っていて、マーケットが狭いという原因もありました。もちろん、この映画は日本の皆様には見せられません。絶対に冗談の80%分からないと思います。



今までアジア系アメリカ人が作る映画は、第2次世界大戦の日系アメリカ人、強制収容所の時の話や、ベトナム人がベトナム戦争時にアメリカに移民して来た時の葛藤を描いたり、中国系の移民のニューヨークの話等、ちょっとシリアスで「私たちは移民で苦労して来たんだ〜」的な内容が多かったのです。

私たちは、そういったアジア系アメリカ人が作り映画の概念を払拭したくてこのコメディー映画を作りましたが、映画祭で賞をとっても、人気ドラマシリーズに出ている俳優がいても、配給会社の牙城を切り崩す事が出来ませんでした。

ま、失敗はつきものです。でも、とにかく売れて、ロスとハワイで上映させてもらってDVD発売されていますので、よかったです。



今でもアジア人が主演の映画は、アメリカであまり売れません。今、アメリカでアジア人主演の映画を作りたいと思った人。

「移民」関係か、アート関係、それか、ホラーをお進めします。コメディーは数億円ぐらいの予算が絶対に必要です。マーケティング予算です。

それを実際に体験させてもらいました。でも失敗をしないと成功しませんからね。

この映画の御陰で全米各地の映画祭にも行けたし、ネットワークも広がりました。



○アジア系の勢力。アメリカ大統領選挙の裏側
http://ja.katzueno.com/2008/11/874/



でも書きましたが、ロサンゼルスにいる日本人は、現地のアジア系アメリカ人との交流が少ないのです。

映画にも同じような事が言えて、ハリウッドには日本人の方が結構働かれているのですが、彼らはアジア系の映画ではなくて、本流のハリウッド映画やテレビ等で働いています。

これは、私たちが、ハリウッドの映画を子供の時から見ていたので、あるいみ、好みがアメリカのメインストリームにあっているからかもしれません。

なので、私も、「Asian Stories」に参加する前は、普通に白人主役のインディー映画等だけに働いていました。

しかし、この御陰で、アジア系アメリカ人の方々と交流を深める事が出来たので、失ったもの以上に得る事も多かったですね。



○“売れる”日本映画の法則

じゃあ、どうやったら日本人やアジア人が作る映画が売れるのでしょうか。

ちょっと長くなって来たので、続きは次回です。今、本業が忙しいので、明日書けるかどうか分かりませんが、努力させていただきます〜。

○世界に売れる日本映画は作れるのか?(その2)
http://ja.katzueno.com/2010/08/897/



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by katzueno | 2008-11-13 00:26 | 映画制作

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